「お手伝いしてくれるのはうれしい。でも、毎回声をかけるのに疲れてしまう……」
「昨日はやったのに、今日はもう忘れている……」
そんなときに取り入れやすいのが、できたことをシールで見えるようにする「お手伝いポイント表」です。
難しいアプリや細かな計算は必要ありません。
紙を1枚用意して、お手伝いができたらシールを貼るだけ。
「あと何ポイントでゴール?」が子どもにも分かりやすくなり、親が毎回ゼロから説明する負担も減らしやすくなります。
この記事では、30マスのお手伝いポイント表を使った始め方を紹介します。
30ポイントをゴールにすれば、1ポイント=シール1枚として、そのまま30枚でゴールにできます。
わが家でも使っている「30ポイントで2,000円」のルールとも合わせやすい形です。
もちろん、30ポイントで2,000円にする必要はありません。
家庭の予算や子どもの年齢に合わせて、家族時間や小さなごほうびに変えても大丈夫です。
この記事では、
- お手伝いポイント表の始め方
- 印刷して使える30マス台紙
- 年齢別のお手伝い例
- ポイントの決め方
- ごほうびの考え方
- きょうだいがいる家庭での工夫
- 続かなかったときの見直し方
までまとめています。
できそうなところから取り入れてみてください。
先に結論|最初は「3つのお手伝い・30マス」で十分
お手伝いポイント表を続けるために大切なのは、最初から完璧な制度を作らないことです。
まずは、次のようなシンプルなルールで十分です。
- お手伝いは3つ程度に絞る
- 1ポイント=シール1枚にする
- できたら、その日のうちに貼る
- 10・20ポイントを小さな区切りにする
- 30ポイントを最終ゴールにする
- ごほうびは始める前に親子で決める
- できなかった日にシールを減らさない
慣れてきたら、お手伝いの内容によって1〜3ポイントに分けても構いません。
たとえば、お片づけなら1ポイント、洗濯物たたみなら2ポイント、お風呂掃除なら3ポイントという形です。
ただし、ルールが細かくなるほど親の管理も増えます。
最初は「親が無理なく続けられるか」も大切にしましょう。
文部科学省の資料でも、家庭の仕事や役割について親子で話し、子どもの年齢や家庭の実情に合わせて取り組むことが紹介されています。
家庭によって、できることや続けやすい形は違います。
印刷して使える|30マスのお手伝いシール台紙



今回使う台紙はA4サイズ・30マスです。
直径1.5cm(15mm)の丸いシールを貼れるように、5列×6段=30マスで配置します。
1ポイントのお手伝いをしたらシール1枚。
2ポイントなら2枚。
3ポイントなら3枚。
この方法なら、別の紙でポイントを計算しなくても、
「シールの枚数=現在のポイント」
になります。
そして30枚貼れたらゴールです。
10・20・30ポイントを目印にする
30マスでも、子どもによってはゴールが遠く感じることがあります。
そんなときは、
- 10ポイント
- 20ポイント
- 30ポイント
の3か所を区切りにしてみてください。
たとえば、
10ポイント:よくできたね!
20ポイント:あと少し!
30ポイント:ゴール!
のように台紙へ入れておくと、現在地が分かりやすくなります。
10ポイントごとに必ず物を買う必要はありません。
「好きな絵本を選ぶ」「今日のゲームを選ぶ」など、小さな楽しみにしてもよいでしょう。
印刷するときは「100%」を確認
1.5cmの丸シールを使う場合は、プリンターの設定を**「実際のサイズ」または「100%」**にしてください。
「用紙に合わせる」などの設定を使うと、印刷時に台紙全体が拡大・縮小され、丸のサイズが変わることがあります。
お手伝いポイント表を始める5ステップ
1.親子で「何のためにやるか」を話す
最初に、お手伝いポイント表を始める理由を簡単に話します。
ポイントやお金をもらうことだけが目的になるのではなく、家族みんなで暮らすために家の仕事があることも伝えておきます。
難しい説明は必要ありません。
ごはんの準備や洗濯は、家族が気持ちよく暮らすための仕事だよ。できることを少し手伝ってくれたら、パパとママも助かるよ。
このくらいの言葉でも十分です。
家事を「誰か一人がやるもの」にせず、家族で協力する考え方については、家族のチーム力|“分担”じゃなく“協力”で家事をまわす方法でも紹介しています。
2.子どもが選べるお手伝いを3つ用意する
親がすべて決めるより、
「この中なら、どれができそう?」
と子どもに選んでもらう方法もあります。
最初から10種類ほど用意すると、親も子どももルールを覚えるのが大変です。
まずは、
- 簡単
- 普通
- 少し大変
のお手伝いを1つずつ用意してみてください。
| 難しさ | お手伝いの例 | ポイント例 |
|---|---|---|
| かんたん | 靴をそろえる、箸を並べる、食器を運ぶ | 1ポイント |
| ふつう | タオルをたたむ、テーブルを拭く、洗濯物を集める | 2ポイント |
| 少し大変 | お風呂掃除、1部屋の掃除機、料理の下ごしらえを手伝う | 3ポイント |
ポイント数はあくまで一例です。
年齢や経験、作業時間、家庭の状況に合わせて変えてください。
また、刃物・火・熱湯・洗剤などを使う作業は、年齢だけで一律に判断せず、道具の注意表示を確認しながら大人が見守ります。
難しい作業は、準備や片づけなど安全にできる一部分だけを任せる方法もあります。
3.「毎日の役割」と「追加ポイント」を分ける
すべての行動にポイントを付ける必要はありません。
わが家では、
自分のこととしてやってほしいこと
と、
家族を助ける追加のお手伝い
を分けて考えています。
たとえば、次のような形です。
| 種類 | 例 | ポイント |
|---|---|---|
|
自分の生活に 必要なこと |
学校の準備、自分の食器を下げる、脱いだ服をかごへ入れる | 基本の役割 |
|
家族を助ける 追加のお手伝い |
タオルをたたむ、食器を拭く、お風呂を洗う | ポイント対象 |
どこまでを基本の役割にするかは、家庭によって違います。
大切なのは、
「昨日はポイントが付いたのに、今日は付かない」
という状態をできるだけ減らすことです。
始める前に親子でルールを決めておくと分かりやすくなります。
4.できたら、その日のうちにシールを貼る
「あとで貼ろう」とすると、親も子どもも忘れやすくなります。
できれば、
お手伝いをする → シールを貼る
までを1セットにします。
シールは子ども自身に貼ってもらうと、現在のポイントも確認しやすくなります。
台紙とシールは、冷蔵庫の横やリビングの棚など、家族が目にしやすい場所に置いておくと便利です。
ただし、小さなシールは乳幼児の手が届かない場所で管理してください。
1ポイントのお手伝いなら1枚。
3ポイントなら3枚。
このルールなら、30枚の台紙がそのまま30ポイント表になります。
5.30ポイントたまったら一緒に振り返る
30ポイントたまってごほうびを渡したら、それだけで終わらせず、短く振り返ってみます。
たとえば、
- 「どのお手伝いがやりやすかった?」
- 「一番大変だったのはどれ?」
- 「次は何をやってみたい?」
- 「ポイントの付け方は分かりやすかった?」
などです。
親からも、具体的にできたことを伝えます。
- 「タオルの端をそろえてくれて助かったよ」
- 「今日は言われる前に気づいたね」
- 「忙しいときに食器を運んでくれて助かったよ」
「30ポイント達成したね」だけではなく、何をしてくれたから助かったのかを言葉にすると、お手伝いの意味も伝えやすくなります。
年齢別|始めやすいお手伝いの例
年齢だけで「これならできる」と決めつける必要はありません。
同じ年齢でも、経験や得意なことは違います。
子どもの様子を見ながら、短時間で終わるものから始めてみてください。
未就学児
- おもちゃを箱へ戻す
- 靴をそろえる
- タオルを運ぶ
- 割れにくい食器や箸を並べる
- 洗濯物を色や人ごとに分ける
未就学児の場合は、短時間で終わり、完成したことが分かりやすい作業から始めます。
うまくできないときは、大人と一緒に最後までできれば十分です。
小学1〜2年生
- テーブルを拭く
- タオルや靴下をたたむ
- 食器を運ぶ・拭く
- 植物の水やり
- 玄関を簡単に掃く
手順が複数ある場合は、
「運ぶ → 並べる」
のように、作業を短く区切ると分かりやすくなります。
最初の数回は一緒にやりながら、物を戻す場所なども確認しておきましょう。
小学3〜4年生
- 洗濯物をたたんで分ける
- 掃除機を1部屋かける
- お風呂掃除
- 買ってきた物を定位置へ戻す
- 大人と一緒に簡単な調理をする
慣れてきたら、
「どの順番ならやりやすいと思う?」
と、子ども自身に考えてもらう方法もあります。
ごほうびはどう決める?お金だけにしなくてもOK
お手伝いポイント表を始めるときに迷いやすいのが、ごほうびです。
ごほうびは、必ずしもお金や物である必要はありません。
家庭の予算や考え方に合わせて選びます。
| 種類 | ごほうび例 |
|---|---|
| 家族時間 | 週末の遊びを選ぶ、家族ゲームを選ぶ、一緒にお菓子を作る |
| 選べる権利 | 夕食のメニュー、寝る前の絵本、見る映画を選ぶ |
| 小さな物 | シール、文房具、好きなおやつ |
| お金 | 家庭で決めた金額のおこづかい、貯金に回すお金 |
わが家では「30ポイントで2,000円」
わが家では以前から、30ポイントで2,000円という「お手伝い×報酬」の仕組みを使っています。
たとえば、
- お片づけ:1ポイント
- 洗濯物たたみ:2ポイント
- お風呂掃除:3ポイント
という形です。
今回の30マス台紙なら、1ポイント=シール1枚として使えるため、最後の30マス目がそのまま交換地点になります。
ただし、30ポイントで2,000円という金額が、すべての家庭に合うわけではありません。
毎月どのくらいポイントがたまりそうかを考え、家計に無理がなく、ゴールしたときに守れる内容を決めることが大切です。
わが家がお手伝いとお金を結び付けて考えるようになった背景は、【体験談】パパは“お給料”を子どもに公開したで詳しく紹介しています。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)の小学生向け資料でも、おこづかいなどを通して、お金を計画的に使ったり、貯めたりすることを考える内容が紹介されています。
ポイントをお金に交換する家庭では、
「何に使いたい?」
「少し貯めておく?」
と親子で話すきっかけにしてもよいでしょう。
きょうだいがいる家庭で比べないための工夫
きょうだいでお手伝いポイント表を使うと、
「私は20枚なのに、○○は25枚!」
とシールの数を比べることがあります。
競争を目的にしていない場合は、最初から比べにくい仕組みにしておく方法があります。
- 台紙は1人1枚にする
- 年齢や得意なことに合わせて、お手伝い内容を変える
- それぞれ自分の30ポイントを目指す
- ごほうびは本人が選んだ目標にする
- 相手のシールを取ったり移動したりしない
- 速さより「最後までできたこと」を見る
家族全員で30マスを埋める方法も
競争になりやすい場合は、反対に家族全員で1枚の30マス台紙を使う方法もあります。
誰かがお手伝いをしたらシールを貼り、家族みんなで30マスを埋めます。
30マスたまったら、
- 家族で映画を見る
- ボードゲームをする
- お菓子を作る
- 休日の遊びをみんなで決める
といった家族共通のゴールにします。
「誰が一番多いか」ではなく、家族みんなで30マスを埋めることが目的になるので、年齢差がある家庭でも取り入れやすくなります。
お手伝いポイント表が続かないときの見直し方
ポイント表を作っても、必ず順調に続くとは限りません。
続かないときは、子どもに「ちゃんとやって」と言う前に、仕組みを少し簡単にしてみます。
子どもがシールを貼りたがらなくなった
30ポイントのゴールが遠く感じている可能性があります。
そんなときは、30マスを、
10 → 20 → 30
の3段階に分けます。
10枚たまったら「あと20枚だね」と確認するだけでも構いません。
小さな達成感を入れることで、残りの数が分かりやすくなります。
親がポイントを付け忘れる
ポイントのルールが細かすぎるのかもしれません。
1〜3ポイントを毎回判断するのが大変なら、一度、
「お手伝い1回=シール1枚」
に戻してみてください。
ポイント表は、親の仕事を増やすための仕組みではありません。
ごほうびだけを求めるようになった
すぐにポイント制度をやめる必要はありません。
一度、
- 自分の生活に必要なこと
- 家族を助ける追加のお手伝い
を分け直します。
そしてごほうびを渡すときに、
「お風呂を洗ってくれたから助かったよ」
など、具体的に何が助かったのかも伝えます。
きょうだいげんかになる
台紙を1人1枚に分けるか、反対に家族全員で1枚の台紙を埋める協力方式に変えてみます。
また、シールの枚数を比べて順位を決めないことも大切です。
親の負担が増えてしまった
お手伝いの種類を増やしすぎたり、細かなポイント計算をしたりすると、管理する親の負担も増えます。
そんなときは、
- お手伝いを3つに戻す
- 1回=1ポイントにする
- シールを貼る時間を1日1回にする
など、仕組みを簡単にしてください。
平日の家事そのものを少し軽くしたい場合は、【時間がない人向け】平日夜を楽にする“ゆとり家事”のコツも参考になります。
よくある質問
何歳からお手伝いポイント表を使えますか?
シールを貼ることを楽しめ、簡単な約束を理解できるようになったら試すことができます。
ただし、「○歳ならこの作業ができる」と年齢だけで判断するのではなく、その子が無理なくできる短い作業から始めてください。
また、消費者庁は、子どもの口の大きさは直径約4cmで、それより小さな物は口に入り、誤飲につながる可能性があると注意を呼びかけています。
今回使う直径1.5cmのシールは小さいため、乳幼児の手が届かない場所で大人が管理してください。
1ポイントはいくらにすればよいですか?
決まった正解はありません。
毎月どのくらいポイントがたまりそうかを考え、家計から無理なく出せる範囲で決めます。
お金に交換せず、
- 好きな夕食を選べる
- 家族ゲームを選べる
- 好きなおやつを選べる
といったごほうびでも構いません。
30ポイントは多すぎませんか?
子どもによります。
30ポイントが遠く感じる場合は、10ポイントと20ポイントを途中の目標にします。
反対に、1〜3ポイントのお手伝いを組み合わせると早くたまる場合もあります。
何日で30ポイントに到達するかを決める必要はありません。
実際に使いながら、子どもと家庭に合うペースへ調整してください。
やらなかった日はポイントを減らしますか?
今回紹介している方法では、できなかった日にポイントを減らさない形をおすすめします。
減点を加えると、
「今日はマイナス1」
「昨日の分を戻す」
など管理が複雑になりやすいためです。
危険な行動や家庭の約束について話す必要がある場合は、お手伝いポイントとは分けて考えます。
毎日同じお手伝いでもよいですか?
はい。
家族が助かり、子どもが無理なくできるのであれば、同じお手伝いを続けても構いません。
慣れてきたら、新しいお手伝いを一度に増やすのではなく、1つずつ追加してみてください。
ごほうびを途中で変えてもよいですか?
親子で話し合い、子どもが納得していれば変更できます。
ただし、30ポイントのゴール直前になってから、親の都合だけで金額や内容を下げると、
「約束と違う」
と感じることがあります。
現在の30マスを終えてから、次の台紙で新しいルールに変えるほうが分かりやすいでしょう。
まとめ|30マスで、できたことを親子で見えるようにしよう
お手伝いポイント表は、子どもを競わせるためのものではありません。
「今日これができたね」
を親子で見えるようにするための道具です。
最初は、次の5つだけ決めてみてください。
- お手伝いは3つ程度に絞る
- 子ども自身にも選んでもらう
- 1ポイント=シール1枚にする
- 10・20・30ポイントを目印にする
- 30ポイント達成時は、ごほうびと一緒に具体的な「ありがとう」を伝える
30マスなら、ゴールが分かりやすく、30ポイント制の家庭では台紙1枚をそのまま1回分として使えます。
途中で続かなくなったら、無理にルールを増やす必要はありません。
3ポイント制を1ポイント制に戻したり、10ポイントごとに区切ったりしながら、親子で続けやすい形へ変えてみてください。
毎回「お手伝いして!」と言うことを目指すのではなく、シールを見ながら子ども自身が、
「今日は何をしようかな?」
と考えられるきっかけになれば十分です。
家族に合ったペースで、30マスを少しずつ埋めてみてください。